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2020年5月16日 (土)

加速局面

今日は、加速局面の技術練習やトレーニングについて考えます。

 この局面が100m走では、最も難しく重要な局面と言えるでしょうか。(もちろん、すべての局面重要なのですが。)なぜならば、加速の(トープスピードに達するまでの)流れの中で、フォームが大きく変化していくからです。

 よく、自動車のギアチェンジに例えられますが、小学生には難しいと思うので、チャリンコに置き換えて説明します。5段ギアの自転車に乗ったことを想像してみてください。自転車をこぎ出す時には5段のギアより2~3段のギア(上り坂なら1段ギア)に入れたほうが楽にスタートできますね。 しかし、スピードが上がるに従って、4~5段にギアチェンジをしていかなければスピードは上がって行きません。

 それはなぜでしょう。ギアの仕組みによるのですが、簡単に説明すると1段ギアでは、1こぎで車輪を1回転させる。2段ギアでは1こぎで2回転~5段ギアは1こぎで5回転する仕組みになっていると考えるとわかりやすいと思います。

 このギアの仕組みがフォームであり、ギアチェンジはフォームの切り替え(加速局面の技術)ということになります。

 それでは、加速局面の技術をどのようにとらえてトレーニングして行ったら良いのでしょう?ポイントを3つに分けて考えます。

一つ目のポイント:重心をスムーズに移動しながら加速していくために、軸を意識して走る。

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 重心の位置は姿勢によって変わります。前傾角度が大きい姿勢から徐々に体を起こしていく中でも、体軸が重心を通った自然な動きを維持し続けられる技術を身に付ける。

 トレーニング方法は、各種体幹トレーニング・倒れ込みからの自然な加速走、ジグザグ走、下り坂走など

二つ目のポイント:タイミングよく足を接地して地面からの反発をもらいながら加速していく。

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 母指球を意識した接地や腱反射を使ってスピードを上げていく接地感覚を大切にする。スピードが上がっていくに従って、接地時間は短くなり、地面に加える力の方向は後方から下方に、力の大きさは小さくなっていくような、パワーロスのない接地技術を身に付ける。

 トレーニング方法は、スキッピング各種・マーカーやミニハードル・フレキシブルハードルなどを利用した走練習など

三つ目のポイント:上半身と下半身を連動させて、足をスムーズに回転させていく。

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 ギアチェンジをスムーズにするイメージで、動きの中で意識や感覚の切り替えを行いながら推進力を生み出していく。そして、究極のピッチとストライドで足を回転させていく技術を身に付ける。

 トレーニング方法は、コーディネーションドリル・ウエーブ走・ポイント切り替え走・牽引によるオーバースピード走など

(写真は、ボルト・桐生・小池・山縣ほかウエブページより)

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